その日、昼休みが終わる頃、事件は起きた。 図書室へ向かう廊下で、美月は他のクラスの男子に呼び止められたのだ。 「あれ、澤村さんじゃん。ちょっと話あるんだけどー。こっちきてもらってい?」 断ろうとした瞬間、腕を掴まれた。 抵抗する間もなく、そのまま壁に押し付けられる。 「きゃ!何するの!」 「離してっ!」