初恋の距離。

 




 文化祭の夜。




体育館は、生徒たちの熱気と、祭りの興奮で満ち溢れていた。




ステージでは、軽快な音楽が流れ、生徒たちは思い思いに楽しんでいる。




私は、人混みの中から葵を探した。



彼を見つけると、私は自然と笑顔になった。





 
 「葵くん!」





 
 声をかけると、彼は私に気づき、手を振ってくれた。



私は、彼のもとへ駆け寄った。






 
「楽しんでる?」






「うん!葵くんは?」






「俺も。やっぱり、文化祭っていいな。」







 
 私たちは、しばらくの間、他愛もない会話を交わした。



周りの賑やかさに紛れて、私たちの間には、穏やかな空気が流れていた。






そして、祭りの終わりが近づくにつれて、私の胸には、少しの寂しさと、期待が入り混じっていた。