文化祭が近づき、教室は活気に満ちていた。
準備で忙しい日々の中、私は葵が他の女子と楽しそうに話しているのを目撃してしまった。
その光景を見た瞬間、私の胸に、今まで感じたことのない、チクリとした痛みが走った。
「...あの子、誰だろう。」
思わず、そんな言葉が漏れてしまう。
いつもの私なら、気にせず通り過ぎるはずなのに。今日は、どうも様子がおかしい。
「おーい、美月ー?どしたの?」
「う、ううん、なんでもない!」
クラスメイトに話しかけられ、慌てて誤魔化したが、葵の姿から目が離せない。
彼は、まるで太陽のように、周りの人々を明るく照らし出す。
そんな彼に、たくさんの女子が惹かれるのは当然のことだ。
それでも、私の胸には、小さな嫉妬の炎が灯っていた。



