昼休み、私は一人で購買部で買ったパンを食べていた。すると、どこからか、凛の声が聞こえてきた。







 
「あれ、美琴ちゃん。今日はお昼一人?」










 
「あ、うん。そうだけど...」






 
「俺も! よし、一緒に食おうぜ!」











 
 凛は、私の隣にどかりと座り、持ってきたお弁当の蓋を開けた。








彼の隣にいると、いつも、空気が変わる。








クラスの女子たちの視線が、私に集まるのがわかる。








でも、凛はそんなことお構いなしだ。









 
 「今日のパン、美味そうじゃん。俺の唐揚げ、一口やるよ」
 








 「え、いいの?」







 
 「もちろん。俺の唐揚げ、最高にジューシーだから、絶対うまいよ。」









 
 凛は、私の口元に、唐揚げを運んできた。










その距離の近さに、私は思わず顔を赤らめた。








凛の指先が、私の唇に触れそうになる。












その時、廊下の向こうから、聞き慣れた声が聞こえてきた。








 
 「あれ? 美琴? ここで何してんの?」