そんな時、凛の言葉が、ふと頭をよぎった。
「無理しないでいいんだよ。辛いことあったら、俺に話してくれてもいいんだよ」
彼の言葉は、まるで、私の心の雨雲を吹き飛ばしてくれるかのように、温かい。
凛と話していると、不思議と心が軽くなるのだ。
先ほどの映画の誘いにしても、要先輩なら、きっと「美桜が観たいなら、それにしよう」と、私の意見を尊重してくれるだろう。
でも、凛は違う。
彼の方が、主観的に、私の「好き」を引き出そうとしてくれる。
まるで、私の色を、彼色に染めようとしているかのように。
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