「私...」
言葉を探している私に、凛は、ゆっくりと、でも、力強く、私の手を握った。
その温かさに、私は、今まで誰にも言えなかった、本当の気持ちを、打ち明けることができた。
「ご、ごめんなさい...私、もう、要先輩のことが、好きじゃ、なくなっちゃった、みたい...」
私の言葉に、凛の表情が、ゆっくりと明るくなった。
その瞬間、私の心に、ずっと閉まっていた扉が、静かに開いたような気がした。
「そっか...。じゃあ、俺と、付き合ってくれる?」
凛の言葉に、私は、迷うことなく頷いた。
「うん! よろしくね。」
凛は、そんな私を見て、満面の笑みを浮かべた。
その笑顔は、雨上がりの虹のように、私の心を明るく照らしてくれた。



