そんな時、凛の存在が、やけに気になった。
凛は、私に積極的にアプローチしてくる。
私をからかったり、意地悪なことを言ったりもするけれど、その裏には、いつも、私への強い想いが感じられた。
先日も、要先輩と気まずくなった私を、凛が慰めてくれた。
「大丈夫だよ、美琴。俺がいるから。」という彼の言葉に、私は、今まで感じたことのない、温かい安堵感を覚えたのだ。
凛と話していると、要先輩との関係で抱えていたモヤモヤが、少しずつ晴れていくような気がした。
これは、いけないことなのだろうか。
要先輩を想いながら、凛に惹かれていく自分を、どうすることもできなかった。
