◯海・夏休み
結都の所属事務所のSNS公式チャンネル動画撮影。事務所のモデルたちが1日海の家でアルバイトする企画を動画に撮ってアップする予定。
マネージャーの計らいで鈴音も関係者として撮影を見守ることに。モデル仲間の星や他のメンズモデルたちも参加。
海なので結都も鈴音も水着。ふたりとも上に何か羽織ってる感じ。
鈴音(結都くんがバイトしてる姿って新鮮だ)


◯回想 数日前
バイトってどんな感じか結都に聞かれる鈴音。
結都『鈴音バイトしてるから参考に聞きたい』
ここでもうすぐバイトしてみた企画があることを知る。
仕事として取り組む真剣な様子の結都もまたいいなって思う鈴音。


◯回想から戻る
海の家で接客してる様子をスタッフたちが動画撮ったり、モデルたちがカメラ持って(セルカっぽいのにつけて)撮影したりしてる様子。
お客さんとしてくる人たちはユイだってわかるとみんな悲鳴のようなものをあげたり、うれしそうにはしゃいでたり。
その様子を少し離れたところから見守る鈴音。結都が人気なのはうれしいけど、女の子たちとの距離感にもやることが多くなってきた。
気にしないように他に目を向けてると、体調が悪そうなメンズモデルがいるのに気づく鈴音。休憩のタイミングで声をかける。
鈴音「あの、大丈夫ですか? これよかったら飲んでください。スタッフさんからもらってきたので」
水の入ったペットボトルを差し出す。
モブモデル1「……あぁ、なんかすみません。ありがとうございます」軽い熱中症っぽい感じ
鈴音「スタッフさん呼んできますね。涼しいところで休んだほうがいいかもです」
スタッフを呼びに行く鈴音。鈴音が他のモデルを心配してる様子をバッチリ見てた結都。
鈴音が自分以外の男を気にかけてるのが気に入らない結都。鈴音の気を引きたくて砂浜に落ちてた瓶の破片を拾う、割れた破片で自分の手首を軽く切る。
それを別のメンズモデルが見てた。
結都「鈴音ちゃーん、俺もケガしちゃった」
鈴音「えっ、どこで切ったの⁉︎ すぐ処置しなきゃ!」
結都「軽く切っちゃった。鈴音が手当てして」
結都が明らかに自分で切ったのを見てたモブモデル2。鈴音の気を引きたくてわざとやったんだとなんとなく察する感じで。
モブモデル2が見てたことに気づいた結都が鈴音に見えないようにモブモデル2を見ながら「……内緒ね」って人差し指あてて笑ってる。
モブモデル2(うわー、ヤバいな……)若干引いてる表情。


*場面切り替え


◯海の家・動画撮影中
メンズモデルたくさんいるので、鈴音が声かけられないか心配で調子が上がらない結都。
一緒に撮影してる星が見かねて声をかける。
星「おーい、ユイくーん。目線どこ向いてるのかなー?」
結都「鈴音しか見えない」
星「今はカメラ見ようねー? 撮影進まないじゃん」
結都「鈴音に変な虫がつかないか心配すぎて撮影どころじゃない」
星「じゃあさ、こういう考えはどう? 鈴音ちゃんが他の男を見る余裕なくすくらいユイくんが惚れさせちゃえばいいんだよ」
結都「鈴音が俺に惚れ……る」
星「そうそう。鈴音ちゃんのぜーんぶユイくんが独占できるんだよ」
結都「……やば、うれしすぎて死ねる」
星「死んだら終わりじゃん。そこは生きなきゃー」
結都「うん、ここで死んだら鈴音が他の男に狙われるから死ぬわけにいかない」
星「ユイくん何回蘇生するんだろうねー?」
結都「俺の鈴音が致死量の可愛さを浴びせてくる」
星「ユイくんって鈴音ちゃんが絡むと最高に面白いね」
結都「撮影がんばる、早く鈴音とふたりになりたい」
星「ははっ、ユイくんちょろーい」


*場面転換


◯海・砂浜
撮影が無事に終了、残りの時間は自由に過ごしていいことに。
海に入るのに誘う結都と羽織ってるラッシュガードを脱ぎたくない鈴音の攻防戦。
鈴音「みんなスタイルいいから水着見せたくない……」
結都「どんな鈴音でも俺は好きだから気にしない」
鈴音「結都くんは乙女心ってやつを理解してない!」
逃げようとする鈴音、捕まえる結都。
結都「いいじゃん。俺にだけ見せてくれたら」
鈴音「むりむり、他の子と違ってスタイルに自信ない!」
結都「だからー、どんな鈴音でも可愛いから早く見せて」
少し強引に結都が脱がす、鈴音の可愛さにいったんふらついて倒れかける結都、頭抱えてる。
鈴音「可愛いを毎秒更新してる……」
他の男に見せたくない意味を込めて鈴音を抱きしめる結都。
結都「こんなの俺以外が見るの許せない……」
鈴音を他の人から見えないように抱っこして海へ。かなり深いところまで連れていく、周りはからはほとんど見えないくらいまで。
鈴音「ゆ、結都くんぜったい落とさないでね……!」
深すぎて足がつかないので必死に結都にしがみついてる鈴音と、そんな鈴音が愛おしくてたまらない様子の結都。
結都「鈴音が積極的だ。俺のこと大好きってこと?」
鈴音「結都くんはユニークな妄想が多すぎるよ」
結都「そっか、鈴音が俺を好き……あぁうれしい」
鈴音(ダメだ、会話が成り立ってない)(盲目すぎる)
ふと、外でこんなふうに結都と過ごすことなかったなと思う鈴音。
家ではこれくらいの距離のときはあるけれど、外でこういう目立つことは極力控えてた。
結都「俺とふたりっきりなのに考えごと?」
鈴音のおでこにコツン。ふたりの視線がかなり間近で絡む。
鈴音(ち、近い……っ。それに、いつもの結都くんより色っぽく見えるのなんで?)髪が水で濡れてるのもあって
結都「今ここには俺たちしかいないよ」
鈴音「わかっ……てる」
結都「周りの視線なんかなーんもない」
素肌が触れ合う感じにドキドキを隠せない鈴音。
さらにここでハプニング発生。鈴音の水着のリボン(首の後ろで結んでる)ほどけてしまう。
結都がリボン結び直す、恥ずかしさでいっぱいな鈴音が可愛すぎてイジワルしたい気持ちを抑える結都。
結都が触れるたびに、触れられたところが熱をもって、自分じゃないみたいな感覚になる鈴音。
結都「はぁ……こんな触れたいのに我慢してる俺えらいよ」
鈴音の首筋に顔を埋めて喋る感じ。
結都「けどさ……少しだけ許してよ」
鈴音の首筋に結都の唇が触れる。突然のことに何が起きてるのかわからなくて固まる鈴音。
鈴音「ゆい、と……くん」
結都「……ん、きれいについた」
目立たないところにキスマークをつけた結都。鈴音は何されたのかわかってない。
結都「ほんとはこんなんじゃ足りないけどね」
結都にドキドキさせられすぎて、自分の気持ちがわからなくなってる鈴音。
結都にだけこんな気持ちになるのか……だとしたらこの気持ちの正体は――。
鈴音(結都くんは、わたしのことどう思ってるの……?)