◯鏡家リビング・夜遅く
鈴音がリビングのソファでくつろいでいる。両親は仕事で共に帰宅遅め。結都も授業後に撮影があったため、帰るのが遅くなっている。
鈴音(ここ最近結都くんずっと帰り遅いけど大丈夫かな)リビングにある時計を見ながら
学校に通いながらモデルとしての仕事を両立してる結都をすごいと思いながら、無理してないか心配する鈴音。
4話でのモデルとして活動してる結都を振り返る。
自分の部屋に移動しようとしたところで帰ってきた結都がリビングへ。
鈴音「あっ、おかえりなさい」
結都「はぁ……鈴音見たら癒される……」
鈴音「いきなり抱きつかないで!」
鈴音に抱きつく結都。そんな結都を拒否する鈴音。
相変わらずの結都の様子に呆れながらも、結都の表情を見ると少し疲れてるのに気づく鈴音。
鈴音「あの、結都くん疲れてるよね?」
結都「んー……どうだろ」
鈴音「お仕事大変なのわかるけど、少しは休んだほうがいいんじゃ……」
結都「俺ひとりの都合で休んだらいろんな人に迷惑かかるからね」
遅くまで撮影時間が押しても、翌日朝早くても文句も言わずこなしてる結都。
結都「俺が仕事できてんのはたくさんの人の支えがあるからだしね」
結都「俺ひとりじゃなんもできないから。周りの人にはいつも感謝してる」
あらためて結都の仕事への姿勢みたいなのを知って、モデルとして高い意識を持って取り組んでる姿がいいなと思う鈴音。
夜ごはんを食べたか聞くと、撮影が押していてまったく何も食べていないことが発覚。
キッチンの棚でカップラーメンをガサガサあさって作り始める結都。
鈴音(なかなか不規則な生活してるのに、体型とか維持してるのすごいな)
鈴音「夜にラーメン食べちゃったら明日の撮影大変そう」
結都「何が大変?」
鈴音「顔むくんじゃったりとか」
結都「あー、あんま気にしたことないかも」
鈴音(神様は結都くんに全力を注ぎすぎたのでは? こんな
時間にラーメン食べても太らないむくまないなんて羨ましすぎるよ)
結都「鈴音はむくんでもかわいいよ」
鈴音「それ褒めてる? けなしてる?」
結都「どんな鈴音でも俺は愛おしく思うよ」鈴音の頬に触れながら
鈴音(このセリフだけ切り取ったらまるでドラマのワンシーンみたい)


*場面転換


◯テスト最終日・下駄箱・お昼過ぎ
テストが無事に終わり、ひとりで帰ろうとしている鈴音。下駄箱からダッシュで門に走っていく女子生徒が多数。みんなキャッキャしながら、何やら盛り上がってる感じ。
鈴音(なんだろう? このあと何かイベントとかあったっけ?)
自分には関係ないことだと思って門のほうへ。何やら門にものすごい人だかりが。その中で頭ひとつ飛びぬけてる結都を発見。
女子生徒1「あれってモデルのユイじゃない⁉」
女子生徒2「ほんとだ! なんでうちの学校にいるの!? もしかして誰かのこと待ってる!?」
鈴音(なんで結都くんここにいるの……! いちおう変装してるみたいだけど、オーラ隠しきれてないし! 変装してるのに逆に目立つってどういうこと!)
ここで自分が門のほうへいったら、騒ぎがもっと大きくなりそうと考えた鈴音は正門からではなく、塀を登って外に出ることに。
塀を登り切って、外の地面に無事着地したところでそこで待ち伏せてた結都が登場。
鈴音「は!? なんで結都くんここにいるの!?」
結都「鈴音ちゃんさー、俺のこと舐めすぎてない?」満面の笑み、圧
鈴音(ってか、さっきまであれだけ囲まれてたのにどうやって逃げ出してきた!?)
結都「鈴音の考えてることなんてぜーんぶお見通し」
午後から仕事がオフなので、鈴音をデートに誘いに来た結都。なんとか鈴音を強引に説得して、近くの大型ショッピングモールへ。
鈴音は制服、結都は私服。どうせなら鈴音も私服がいいということになり、結都が鈴音の服を選ぶことに。
何着か鈴音が着て(ガーリー系、ストリート系、カジュアル系などなど)試着室から出てくるコマ。ぜんぶ似合ってる鈴音にため息が止まらない結都「この世の服はすべて鈴音のためにあるのか……」「可愛いが渋滞してる……」
最後の服は店員さんおすすめを試着。おなかのあたりが少し見えるくらいのショート丈。
鈴音「ど、どうかな」
結都は渋い顔をして考える人のポーズ。
結都「……却下」
さっきまで試着したのをぜんぶ可愛いって言ってくれていた結都が唯一渋っている。
結都「こんなの俺が抱きついて守るしかない」
鈴音「ひゃ、どこ触ってるの⁉」
鈴音のおなかあたりに触れて、腰に手をまわして抱きついてる感じに。
ふたりがわちゃわちゃしてると、店の外でユイのファンらしき子たちが「あそこにいるのユイじゃない!?」的な声が聞こえる。
こんなところファンの子に見られたら誤解されると思った鈴音がとっさに結都を試着室の中に連れ込む。
カーテンも閉め切って軽い密室。鈴音はカーテンの隙間からファンの子たちが去ってくれてるか確認するのに必死。
その様子を可愛いなと思いながら見てる結都。
結都(あー……ほんっとかわいいな……。こんな無防備な姿さらして)(しかも何この軽い密室……なんでもしたい放題じゃん)
(はぁ……こんな密着してんのに触れられないのかぁ。ほんとはめちゃくちゃに可愛がりたいのに。俺よく抑えてるよほんと)
(いま目の前にいるのが俺でよかったね。他の男だったら間違いなく食われてるよ。いや、そもそも他の男が鈴音にこんな近づくの許せない……そんなのいたら正気保つの無理)(ははっ、なんか想像したらイライラしてきた。俺ちゃんと表情作れてんのかな)
鈴音「ゆ、結都くん?」
結都「ん、なに?」
鈴音「なんでそんな満面の笑み、なの?」
結都(俺いまそんな怖い顔して笑ってんのかな?)
結都「んー、色々考えたらこんな顔になった」
鈴音は何を考えたらこんな笑顔になる?みたいな表情。
結都が鈴音を後ろから抱きしめる。ふたりとも鏡のほうを向いてる感じで。
いきなり抱きしめられて動揺しまくりの鈴音。そんな鈴音が可愛いからスイッチ入った感じの結都の表情。
鈴音の頬を包むように触れたりなぞったり、鈴音の首筋に軽くキスする感じ。
鈴音「ゆい、と……くん」
結都(は……なに今の……もっとしたらどうなんの?)
結都がしっかり抱きしめてるので鈴音は逃げ場なしな感じで。
鈴音「なんで、こんなことする……の」
結都(破壊力やば……可愛い)(あー……俺ちゃんと止まれんのかな)
結都が抱きしめたまま後ろから片手で鈴音の顎をクイッとつかむ。真っ赤な顔の鈴音が鏡にはっきり映る。
結都「ほら、俺が軽く触れただけなのにさ」
鈴音「っ……」
結都「こーんな可愛い顔して」
恥ずかしくてさらに顔が赤くなってる鈴音がもう可愛くて仕方ない結都。
結都(はー……可愛い……たまんない)(これくらいにしないと……ね)
結都「こんなの俺以外に見せたら絶対許さない」「鈴音に触れていいのは俺だけ」
鈴音の耳元でささやく感じ。
結都(まあ……他の男なんか死んでも近づけさせないけど)


*場面転換

◯ショッピングモール・買い物を終えて帰る、エレベーター待ち
試着室での出来事はやりすぎだって怒る鈴音。機嫌直してって、結都が全力でご機嫌取り。
帰りになってやっと鈴音のご機嫌が戻る。
エレベーターに乗る、そのエレベーターが途中で止まってしまう。乗ってるのは鈴音と結都だけ。
エレベーター内の電気も落ちてしまい、薄暗い感じに。
鈴音は暗くて狭い場所が苦手(幼いころに納屋に閉じ込められたことがあってから軽いトラウマ)
恐怖から少し身体が震える鈴音。結都に気づかれないようにしていたけど、結都はあっさり気づいて鈴音を優しく抱きしめる。
結都「大丈夫だよ。俺がそばにいるから」
泣くのを我慢してる鈴音。
鈴音(ここで泣いたら結都くんに迷惑かかる……)
鈴音が何か我慢してるのに気づいた結都が自分がかぶっていたキャップを鈴音にかぶせてあげる。
結都「俺には弱いところ見せていいんだよ」
結都の腕の中に安心&優しい言葉に瞳にじわっと涙を浮かべる鈴音。
結都のぬくもりに安心して目を閉じると、そのまま気を失ってしまう鈴音。


*場面転換


◯鈴音の部屋・ショッピングモールから帰宅
ショッピングモールからタクシーで帰宅。結都がお姫様抱っこで気を失った鈴音を部屋に運んでベッドに寝かせる。
眠った鈴音の頭を優しく撫でる結都。
結都(もっと俺に甘えてくれたらいいのに)(鈴音の弱いところもぜんぶ俺だけが知ってたらいい)(いつだって俺が守るからさ……もっと俺のことだけ考えて……俺しか見えなくなればいい)
結都「……俺だけの鈴音」
確実に妹以上の感情を持ってる感じの表情がラストのヒキ。