その頃、転校生の碧は、地道な調査を続けていた。
彼は、盗まれた品々や、被害に遭った生徒たちの行動パターンを丹念に洗い出していた。
「教室で、誰かが持ち物を盗む瞬間を目撃したっていう生徒はいないのか...」
「なかなか、そこまでは...」
「そうか...。でも、防犯カメラがない以上、地道に証拠を集めるしかないな」
碧は、クラスメイトの一人一人に話を聞き、些細な違和感を見つけ出そうとしていた。
そんな碧の姿を、私は遠くから見ていた。
彼の真剣な横顔に、再び心が揺さぶられるのを感じる。
「碧くん、ありがとう。本当に助かってるよ。」
私は、彼に感謝の言葉を伝えた。
碧は、私の言葉に少し驚いた顔をしたが、すぐにいつものように、少し茶目っ気のある笑顔で答えた。
「いや、別に。花蓮のためなら、何でもするさ。」
その言葉に、私の頬が熱くなる。
暁先生への想いを抱えながらも、碧の存在が私の心を占めるようになっていた。



