不思議な町の喫茶店


「あれ、日果(にちか)コーヒーにしたの?」

「うん」

学校帰りのコンビニで買ったペットボトルのコーヒーを開ける。
そのまま一口飲んでみると、スッキリとした味わいが広がった。

「うわぁ…そんな苦いのよく飲めるね」

ぽかんと口を開ける友達に「まぁね」と得意気に笑った。
あれ以来、コーヒーをよく飲むようになって、これには家族からも驚かれている。

「なに~、ダイエットでも始めた?」

「そんなんじゃないけど…カッコいい女になって、新しい恋でもしようかな~って?」

「あー、そういえば告白ダメだったんだっけ…彼女持ちって後から知るのキツいよね」

哀れむような視線を送られて苦笑する。
今思い返せば、私って先輩のことをろくに知らないままだったな…。
ラブレターに書いてあったのも、先輩の見た目とか良いウワサとか…あとは自分の気持ちばっかり。

「うん、だからね…今度はもっと相手を知ってから告白するよ」

そしたらきっと、もっと好きになれるはず。
苦手なコーヒーを好きになれたように。

「今度こそラブレター受け取ってもらうぞー!」

「いや、そこは変わらないんかい!」

友達のツッコミに笑いながら、私は家までの道を進んでいった。