まさか食べ物に“魔法”がかかっているなんて。
驚いたけど、これは助言をもらうチャンスかもしれない。
今私が悩んでいることは、とてもじゃないけど“人”には話せないから。

『恋のお悩みかい、お姉さん?』

私の考えを読んだかのように女の子が首をかしげる。
その言葉に私は頷いた。

「私…告白されたの。それも幼なじみの二人から、全く同時に」

『へえ、それは素敵じゃないか!お姉さんは二人のどちらとつき合うんだい?』

「それが…決められないの」

女の子がきょとんと目を丸くする。
やっぱりそうなるよね。
私は頭を抱えながら続ける。

「二人のこと…どっちも好きだけど、友達として好きなのか男の子として好きなのか分かんない。でもフッたら友達に戻れないかもだし…」

言いながら、スゴくワガママで贅沢な悩みを話してるなって思う。
少なくとも女友達に話したら嫌われるか呆れられそう。
あぁ、考えたら考えるほど頭が痛くなってくる。
私が唸っていると不思議そうな女の子が口を開いた。

『どちらも好きだと、だめなのかい?』

「…は?」