通学路にぽつんと建っている、前から気になっていた解結という名の喫茶店。
入ってみようと思ったのは、なにか新しいことをして気分転換したくなったから…かもしれない。
カランコロン___。
中に入ると、ドアについたベルが私の来店を知らせた。
「いらっしゃいませ…」
頭を下げたのは口元にホクロのある若い店員。
お好きな席へどうぞ。
そう言われて窓際の席を選び、腰かける。
すぐにメニューが届き、私は小腹を満たすために注文をした。
「えっと…この、サンドイッチを一つ下さい」
再び店員が頭を下げて、店の奥へと去って行く。
私は視線を窓の外に向けて小さくため息を吐いた。
そしてスマホを手に取り、メッセージアプリを開く。
龍樹と草太、そして私を含めた幼なじみ三人のグループチャット。
最新のメッセージはまさしくその二人の幼なじみから届いている。
___あの事、考えてくれた?
___オレらずっと待ってるから
私は…返信する勇気が出なくて、そっとスマホを鞄にしまった。



