不思議な町の喫茶店


『あなた、本当のパパに会うといいわ。それで、今まで会えなかった分もたくさん甘えるの』

「え、無理だって恥ずいし…っていうかママが嫌がるかもしれないし?」

10年前に離婚したママの口から、パパの話題は一度も出てきていなかった。
どんな理由で別れたのかも知らないから、会うこと自体が難しいかも。
パパの方だって、突然会いに行ったら困るだろうし…そもそも私って分かるかどうか…とにかくダメな理由ばかりがポンポン出てくる。

『大丈夫、だってあなたはパパとママの子供なんですもの』

「…え?」

『たくさん甘えて、困らせて…それが子供の特権なのだから、とにかくあなたの願いを言ってみるのよ』

___パパとママも、それを叶えてあげたいと思うはずだから。

「……そっかー……」

女の子の言葉に、小さく笑う。
どうなるか分からないけど…そうだと、嬉しいな。

「…だめだったら、グチりに来てもいい?」

『だめじゃなくても、いつでも来てね』