届くのを待っている間、スマホゲームで繋いでいると、メッセージアプリの通知が届いた。
相手はさっきの連続ドタキャン男。
絵文字を入れてデコられた文面には軽い謝罪の言葉が並べられていた。
「若作りは見た目だけじゃなかったかー」
適当に文字を並べて…返信っと。
これでよし。
「お待たせ致しました、ショートケーキで~す」
明るい方のイケメン店員がケーキを持ってきたのは、ちょうどスマホを閉じたころ。
目の前に置かれた皿の上には生クリームと苺がたっぷりのショートケーキが座っていた。
「ごゆっくりどうぞ~」
店員が頭を下げ、店の奥へと消える。
私は食器入れからフォークを手に取った。
「いただきまーす」
ふんわりとした生地にフォークを入れる。
そのまますくい上げて口の中に入れると、甘さが一気に染み渡るのを感じた。
『甘い物はお好きかしら?』
ふと、下の方から声がして、もしやと私は目を輝かせる。



