誕生日当日。
拓人によってバラされた私のサプライズ誕生日会は、事前に知っていてもスゴく楽しく過ごすことができた。
「あぁ、楽しかったぁ!」
両手に貰ったプレゼントを抱えて帰路につく。
隣を歩く拓人の手にはウケ狙いで贈られた大きなテディベアが抱きしめられていた。
「なぁ、これ俺が持たなきゃだめ…?」
「いいじゃん!可愛くて」
ニヤニヤ笑う私を見て、ふて腐れたようにそっぽを向く拓人。
少しの沈黙のあと、私は空を見上げた。
「ねえ、拓人」
夕焼けのオレンジに照らされながら小さく呟く。
「ん?どうした?」
「…来年は…二人きりで、過ごしたいな」
頬の熱さを感じながら、へにゃりと笑う。
「水香」
拓人が歩いていた足を止めて、私の名前を呼んだ。
「二ヶ月後、俺の誕生日も…二人きりで会わない?」
___来年まで、待てない。
その言葉に私は満面の笑みで頷いた。



