「お待たせ致しました、クリームソーダです~」

間もなくして注文したクリームソーダがテーブルに置かれる。
爽やかな緑色のメロンソーダの上に、甘い香りのする白いバニラアイスがのっていた。
中には既に赤いストローがささっている。

「ありがとうございます…」

礼を言って、ストローに口をつける。
口の中に甘い風味が広がって、私はようやく落ち着きを取り戻した。

「…ソーダちゃん、私のこと、覚えてる?」

うつむいたまま呟くと、可愛らしい声で返事が返ってきた。

『もちろん覚えているわ、お姉ちゃん』

クリームソーダの後ろから、ひょっこり顔を出した小さな小人サイズの女の子。
私は視界を滲ませながら彼女に顔を近づける。

「ソーダちゃあん…どうしよう…」

情けない声が喉の奥から絞り出される。
そんな私を見て、ソーダちゃんは心配そうに目を細めた。

『まあ、どうしたのお姉ちゃん。そんなに悲しいお顔をして…』

「彼氏が…拓人が浮気してたぁ……」