電話越しでも笑顔なのが伝わった。
しっぽを振っているのが見えるよ………。
なんてのは置いといて。
「そういえば芽衣ちゃん、ちゃんと帰れたよね!?まさか男とかと帰ってないよね!?」
あ……。
「あ、…いや、うん!大丈夫だよー!」
喉につかえる言葉を無理やりに押し出す。
「良かった〜!もし、男と帰ってるなら、俺泣くところだった。」
………。
じゃあ、類は女の子と帰ってたから私は泣いてもいいのかな。
何かがガラリと崩れる。
「……ごめん、ちょっと勉強開始しまーす。失礼。」
「え?、…あ、おけ…頑張ってね!!」
元気がないのは気付かれるわけがない。
テロンって電話を切って冷蔵庫に向かう。
アイスを求めて。
もちろん、勉強する気なんてさらさらないし、勉強机に向かう気も全くないもん。
あ、『もん』ってつけちゃだめなんだっけ。
あんな出来事どうたってことないし、だってふつーに友達と帰ってただけ。
だって私が彼女だから。
そうだよ!!元気出せよ私!!
少し軽くなった心に栄養を届けるように、アイスを頬張った。

