私がいる方向とは少しズレている方に顔を上げた類は、急にニコッとしたと思ったら手を振り始めた。
次に出てきたのは、
「………女の子。」
別に女の子といること自体が悪いわけじゃない。
そんなことずっと分かってる。
まぁまぁ。束縛したところで嫌われちゃうのは私なんだから、我慢してやろうじゃないか。
………、
心はモヤモヤしているような気もするけど、それは気のせい。
「よし!いっちょ行きますか!」
ワサワサする心を紛らわすように頬を叩いて、廊下を全走力で走り出した。
「おまっ、足早くね!?」
かなりズレている若い男教師(担任)、よよもん(横田 義和)は感心した目で私のことを見ていた………のも気のせい。
な、はず。

