「芽衣〜!ピンクのペンキ持ってきてくれない〜?美術室にあると思うんだ〜!!」
友達の声に了解サインを出す。
「どのくらい欲しい〜??」
「持ってこれるだけ持ってきてくれない〜!?」
「オッケ〜ちょいとお待ち〜」
友達のお願いはなんとしてでもやり遂げたい主義なんです(?)
暇だったからちょっと助かった。
みんな仕事してるのに、自分だけすることなくて気まずい瞬間何?
共感者求む。
………。
「あ、」
結構どうでもいいことを考えながら廊下を歩いていたとき、窓の奥にある校門が目についた。
そこに類がいたから。
きっと友達でも待っているのだろう。
校門に寄りかかってスマホをいじっていた。
こう見ると、改めて類がかっこよく見える。
いつもはどっちかっていうと可愛いんだよね。
立ち止まって類を見ていると、急に類が顔を上げたのでギクッとする。
あっちから見えるわけでもないのに。
自分を阿呆に感じながら、そのまま類を見続ける。

