何を焦っているのだろう。
不思議に思いながらも気になるので耳を傾ける。
「立花くんに告白してる子いたの、中庭で。」
アリのように小さな声だったのに、はっきりと耳に届くのはなんでなんだろう。
類はどんな反応したの?
それしか頭に浮かんでこない。
でも、私、シフト中だから。
「………大丈夫だよ、だって私シフト中だし。」
そんな私に友達は眉を下げた悲しそうな顔をする。
「本当に?」
見透かされているようで、思わず下を向く。
「しょうがな「早く行ってきなよ、私がそしたら替わる。」
「で、でも……!」
「いや、私が今チャーハン作りたい気分なの!ほら〜!」
自分の気持ちに素直になれ、と私の背中をバシバシ叩く友達が光って見える。
「……ありがと、」
そう言って私は教室を飛び出した。

