ブルークレールのソワレ ー甘いお菓子と公爵様の甘い溺愛ー



 それからのマリーは店に力を入れって繁盛させた。お菓子作りの腕が更に上がったのだ。ダニエルの喜ぶ顔が見たくて、腕を振るっていたというのが正しいだろう。

新作は次々と人気になって面白いほど、よく売れていた。ダニエルはマリーの気持ちに気付かない。まさか両想いになっているとは知らずに、自分だけが夢中でいると思い込んでいる。

甘い罠に嵌りまくって逃れられない。胃袋をまさに掴まれているのだから仕方ないのだ。そんなマリーは恥ずかし過ぎて好きと言えない。いつになれば伝えられるのか、先は遠い。それを知っている周りが、歯がゆいだろう。

そしてダニエルは骨折も完治して、店に入り浸るようになった。長い休暇を利用して、オーナーの特権を大いに振るい。何かと理由を付けては、マリーに会いに行ったのだ。行くと菓子の新作が待っているから、行かない理由を探す方が難しいくらいだ。

 時折、エリックの所へ行き、マリーが元に戻る薬の催促をした。エリックは開発を遅らせて、わざとゆっくりしていた。もし急いで薬を作るとマリーを取られそうで、想像をしただけで恐怖しかない。
 
だから子供のマリーなら手を出せないだろうと考えたのだ。ズルをしてもいい。どんな手を使ってでも阻止してやると思っていた。
 
自分にマリーが振り向いてくれるまであらゆる手を使う。長い道のりになろうとも好機を待つのだ。そう決心していた。幼い頃から好きだったのだから、今更、焦ることはない。エリックはどれだけでも待てる勢いだ。