あとからダニエルが入ってくるとエリックは嫌な顔をした。ナタリーがいるせいかダニエルは笑顔を切らさず、貼り付けているようだ。これはナタリーに気に入られるためかと勘繰るエリックだった。ダニエルが似合わない笑顔で言う。
「エリック来ていたのか」
「当たり前だ。おばさんの手伝いをするために来たんだ」不機嫌なまま答えていた。
「本当はマリーに会いたくて来たんだろう」
「そうだよ。悪いか」
「別に」
何か含んだ物言いに嫌な予感がした。しかも笑顔のままだ。
「エリック、ダニエル様がこの店のオーナーになるのよ」
ナタリーは笑顔で言った。
「え、おばさん。本当かい」
「ええ、男手がいないからせめて、オーナーとして協力して頂くのよ」
「エリック。これからは私もここに、よく来るから店のことは心配ないよ」
「余計に心配だ」
2人は睨み合ったがナタリーが中に入って言った。
「2人とも案外、仲いいのね」
「そんな訳ありません」二人はハモッて言った。
「何それ」子供のマリーは受けてケラケラ笑った。無邪気な笑顔は、可愛くて皆を笑顔にさせるのだ。

