近衛兵特別捜査隊の捜査が終了すると長い休暇が与えられた。特にダニエルは陛下から怪我を治すように言われ、宮殿への出勤は当分ない。
マリーの菓子をゆっくり味わえると喜んでいる。だが母親が帰ってきたのだから、公爵邸においておくのは可哀そうだ。そこで前に店を出していた家を買い取りマリーに与えた。
しかし母親のナタリーは受け取れないという。そこでオーナーとして店の協力をして欲しいと提案してきた。オーナーとはダニエルにとって嬉しいことだ。即OKした。
報酬は菓子と新作を一番に味見することを望んだ。当たり前だが、貴族だから金銭には困っていないので興味が無いのだ。それよりマリーのもとにオーナーという理由で通えるとは、ありがたいと浮かれていた。
ナタリーは二人の異変に気付いていた。それも相思相愛だろうと。マリーを命がけで助けてくれたのだから確信していた。ダニエルが相手だと申し分ない。
1つ気になることは身分違いの恋ということだ。若い二人の乗り越えなければならない試練になるだろう。だが一度だけの人生なのだから愛することの大切さを知ればいい。時間が解決してくれることを期待しょう。母親の愛情で見守っていきたいと思っていたのだ。
マリーも母親の提案は嬉しかった。ダニエルがいてくれるだけで心強かったのだ。公爵邸を離れると会えなくなるのが寂しかった。
これからは店で会える。だから会うために新作を沢山考えれば、会いたいときに会えるのだ。こんなに嬉しいことはない。ダニエルにこの気持ちを内緒にしておこうとマリーは思ったのだ。
(もしかしてダニエル様が好きなのは菓子で、私のことは好きではないかもしれない。私のことと菓子と混同して好きだと錯覚しているのだ)とマリーは深読みをしていた。恋していると臆病になるのだろう。そして、ただダニエルがいるだけで喜びを実感している。

