ブルークレールのソワレ ー甘いお菓子と公爵様の甘い溺愛ー



 マリーとモリスを見失った所まで時間を戻すと、ダニエルが焦って方々を探していた。だが広間にはいない。心配してナタリーもマリーを探した。

二人は廊下に出て各部屋の扉を開けて探し回った。部屋の中には男女が抱き合っていた。ナタリーはそれを見るとゆっくり扉を閉めて何もなかったように他の部屋に行った。

 ある部屋も二人が激しく抱き合っていた。その足元に水色のドレスが脱ぎ捨てられている。ダニエルはマリーかと思い女性の方を男から力ずくで引き離して抱き寄せた。よく見るとマリーとは比べ物にならない派手な女性だった。

「ダニエル様、私のことを思っていて下さったのですか?」

女性はダニエルに強く抱きついていた。ベタベタとダニエルを触りまくった。離そうとすると更に力強く抱きついてきた。ダニエルは顏をそむけて言った。

「失礼、人違いだ」

そう言うと無理やり女性を離すと男性に押し付けて、扉に向かった。

「ダニエル様、いいんですよ。私を攫って行って!」ダニエルに腕を伸ばして言うのだった。

その声を背中で聞くと、身震いをして部屋から出て行った。
その部屋を出ると廊下に見覚えのある物が落ちていた。それを拾うとウサギ形のクッキーだった。マリーの顔が浮かんだ。

「マリー」

ダニエルは思わず名前を呼んでいた。手に握り締めたクッキーを持って、ナタリーの元へ駆け寄った。

「これはマリーが焼いたクッキーです」

ナタリーに見せると今立っている二人の足元にも同じ物が落ちていた。