一方モリスは夜会で踊った美しい娘が気になって仕方がない。自分が雇っている人間にその娘のことを調べさせた。
それはルーヴァンノワ公爵家の一人息子のダニエル・ド・ルーヴァンノワの専属菓子職人でマリー・ブロッサムという者だった。ただの庶民かと下に見ていたが。美しいものを好むモリスは、あの美しさは手元に置いておきたいと考えた。
夜会の時にダニエルが、邪魔しなければ手に入ったかも知れないと思っただけで腹立たしい。まるでモリスを女扱いして踊ることも気に食わない。男には興味が無いのだから美形でもダニエルには目もくれない。だからこそダニエルの男好きの噂は本当だと勝手に確信していた。
それよりマリーを我が物にしょうと得策していたのだ。
それからルーヴァンノア侯爵家の前で見張りをさせてマリーの様子を探ることにした。そして頃合いを見て求婚しょうと計画する。
養子として、いつか結婚をする。継承者を残してこそ養子を超えルランティノワ侯爵家の一員になれるのだ。だからこそ結婚が重要で、同じ結婚をするのなら自分の好む者としたいと思っていた。
誰もがそうなのだろうが、モリスは異常な程に美しさを求め過ぎている。マリーこそがモリスのお眼鏡にかなった存在である。今までにいなかったからこそ逃してしまうと、もう現れない気がしていた。
マリーと会うには待ち伏せする訳にはいかず、ただ夜会に参加して会う回数を重ね自身の美しい容姿を利用して振り向かせる。これしか考えられないとモリスは思った。いつ会えるか分からないので手あたり次第、夜会に出席することにした。

