ブルークレールのソワレ ー甘いお菓子と公爵様の甘い溺愛ー



 思いもよらない展開で、頭の動きがついてこない。もしかしてダニエルのことが、好きなのだろうか。それだけが感情の渦を巻いて頭を廻る。

頭で考えているのでは、割り切れないとマリーは気付いていない。恋愛初心者には、心で感じることが、自然とできないのだろう。それだけ恋愛に対して不器用なのに、繊細な心を持っている。

ダニエルは唇を離すと、優しく抱きしめた。壊れ物を扱うようだった。それだけ愛おしく大切にしたい存在なのだ。このまま自分の者にして離したくなかったが、その思いは押さえた。

今までのように自分勝手な恋愛をしては、マリーが離れていくことが分かっていた。これまでとは違う感情が心を占めている。ダニエルが初めて心から愛するという言葉に相応しい感情を持った。

マリーは抱きしめられて嫌な思いはしなかった。それよりも心が高鳴る程に、体が正直なのだ。宮殿に向かう間中、心を確かめるように抱き合っていた。

宮殿に着くと誰もが二人を注目していた。ダニエルに新しい恋人ができたのだと噂が広まっていた。ダニエルは恋人だと思わせていても別段、支障はないと考えた。

捜査を秘密裏に活動し安い。それは目の前に犯人がいるかも知れないという状況にあるからだ。マリーを連れて遊んでいる訳ではない。そう心の中で言い訳をしている。自身の心が有頂天にならないように、引き締めることが必要だと思っていた。