ブルークレールのソワレ ー甘いお菓子と公爵様の甘い溺愛ー

  ダニエルはマリーの支度が終わると部屋に入ってきた。その視線はマリーに釘付けで、今まで以上にマリーに優しく接した。マリーは戸惑い緊張をしたが、今から向かうのは、捜査で母親をみつけるためと思うと勇気が湧いてきた。それは凛とした姿に変わった。そのせいで美しさがより増して見えるのだった。

マリーの姿は公爵邸のいる誰もが、見惚れるくらいの美しさで、わざわざ馬車に乗り込む姿を見に来る召使いたちがいた。
マリーはダニエルにエスコートされて馬車に乗り込んだ。そして公爵邸の人々に見送られて馬車は出発した。
 馬車の中では向いに座るダニエルがニマニマして薄ら笑うのだった。

「何ですか?そんなに可笑しいです?」
「いや、美しい」
「からかっているんですね。もう見ないで下さい」
「何故だ。美しい者はしっかり見て目の保養をしないとな」
「それは私の台詞です」
「そうか。それなら私をよく見るといい。もっと近くで見るか?」

左横に座り近づいて腰に手を回すダニエルに、胸を長手袋をつけた両手で軽く押して制止した。それでもダニエルは軽く力を入れて、マリーを引き寄せ抱きしめた。マリーは離れようと動くが、力が強くてびくともしない。

「離して」
「じゃ、質問に答えろ」
「何ですか?」
「今日は何処へ行っていた?」
「エリックの所です」
「何故、エリックの所へ行くんだ」

ダニエルが怒った口調で言った。それにつられてマリーは怒りがうつったらしい。機嫌を悪くして言う。

「私が何処へ行こうと、ダニエル様には関係ないでしょ」
「それはある。君を取られたくない」
「私は物ではないんですよ。取られるとか取るとか、そういう問題ではないでしょ。私は私です」
「やはり面白い女性だ。興味をそそられる」

間近で見つめ合うと優しくキスをした。突然でマリーは身動きできず、押しかえす力も出ない。その優しいキスを拒否できないでいるのは、うっとりする程、体が反応していた。体の奥の力が抜けて、心地よさが沸き上がるように感受した。今までに感じたことのない反応にダニエルの思いと自身の思いが一致した。