棚の紅茶をマリーに選んでもらった。抱きかかえて目線を上げて、選んでいる様子を見ても、可愛く美しいマリーの姿をうっとりした。そして瞳に焼き付ける。
二人でする共同作業は嬉しくもあり楽しくもある。紅茶を入れるマリーの姿を見詰めていると、もしも夫婦になったら、こんなに楽しい日々が過ごせる。想像するだけで、紅茶が一段と美味しく感じるのだった。必ずそうなるように実現すると心の中に誓ったのだった。
お茶を飲んだ後、マリーは夜会の準備があると帰って行った。夜会はダニエルと一緒と聞いただけで、エリックの心はざわついていた。
エリックの気持ちを知らないマリーは、急いで公爵邸に帰って行った。置いてけぼりになったエリックは、マリーのことばかり考えて胸が苦しくなっていた。一層のことマリーのドレスになって、ずっと一緒にいたいと気持ち悪いことまで考えていた。
公爵邸に帰ると夕方になっていた。玄関ホールでダニエルが待ち構えていた。マリーが帰って来ると、ドレスを持ってダニエルの部屋に来るようにと言われた。すぐそこに夜の始まりの薄暗さが近づいてくる。
大人のマリーがドレスを持ってダニエルの部屋へと向かった。ダニエルはいなかったが、部屋に入るなり追い立てられように、入浴とドレスの着付けを、メイドが手慣れた様子で支度してくれた。最後に化粧をして、宝石を付けた。まるで王女のように気品があり美しかった。

