その後も、二人はお互いの成長を報告し合った。
琉は「新曲のレコーディングが大変だった」と弱音を吐き、澪は「プログラミングでエラーばかり出た」と苦笑する。

琉「大変でもさ、俺らもう引き返せないよな」
澪「うん。進むしかないって感じ」
琉「……そういう澪、カッコいい」
澪「な、なにそれ」

笑い合う中で、琉はふと真剣な声で言った。
琉「俺、ステージ立つのも曲作るのも、正直怖いときある。でも……澪が自分の道を頑張ってるのを見るとさ、俺も負けてられないって思うんだ」

澪は胸が熱くなり、言葉を返した。
澪「私もだよ。琉が全力で音楽に向き合ってるのを知ってるから、私も逃げないって決められる」

その夜、二人は初めて“対等な仲間”として心を重ね合った。
恋愛の言葉はまだない。
けれど、互いの存在が支えになっていることは、もう隠しようがなかった。