卒業式前日。
最後の帰りの会が終わり、みんなが帰り支度をしているとき。
私の机の中に――一枚の紙があった。
……っ!
震える手で広げる。
『これが最後の手紙です。
今まで頑張ってきた君を、ずっと見てきました。
だから自信を持って。これからも、きっと大丈夫。
……本当は、直接伝えたいけれど――』
そこで文字は途切れていた。
……本当は、直接……?
胸がぎゅっと締めつけられる。
でも次の瞬間、熱いものが目ににじんだ。
「ありがとう……」
声にならない声を、そっと紙に落とした。
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