卒業式まで、あと数日。 教室の空気がどこか浮ついている。 進路や、新しい生活の話題ばかりが飛び交っていて、みんなの笑顔がまぶしかった。 そんな中で、私はずっと胸がざわついていた。 ……もう、手紙も終わりなのかな。 席替えをしてからというもの、私の机には紙が入らなくなっていた。 それが自然なことだと分かっていても、心にぽっかり穴が空いたみたいに寂しかった。