ふと目を覚ますと、体にやわらかい温もりがかかっていた。


「……え?」



机の端に、きちんと折りたたまれた上着。


私の肩を覆ってくれていた。


誰が置いてくれたのか分からない。


辺りを見回したけど、みんなはもう次の授業の準備をしていて、特別な様子はなかった。


……まさか、ね。


胸がきゅっと熱くなる。


手でその布の感触を確かめながら、机の中をそっとのぞいた。