放課後の図書室を出て、下駄箱へ向かう。 カバンを持ち直して教室へ戻ると、机の中に一枚の紙が入っていた。 『今日はよく頑張ってたね。見てたよ』 「……っ」 心臓が一気に跳ねた。 さっき、隣に座った人。 あの気配と、この言葉が重なってしまう。 ……やっぱり、近くにいたんだ。 胸が甘くしびれるように高鳴って、しばらくその紙を抱きしめていた。