テストが終わったあと、
私が机の中をそっとのぞくと――そこには、やっぱりあった。
『きっと大丈夫。自分を信じて』
……すごい。
まるで今の私の気持ちをわかってるみたい。
読んだ瞬間、胸の奥がふわっと温かくなる。
紙を胸ポケットにしまって顔を上げると――。
「……っ」
一瞬、目が合った。
前の方の席にいる、クラスの人気者。
裕翔くん。
いつも明るくて、友達が絶えない、遠い存在。
その裕翔くんが、ほんの一瞬だけ私の方を見ていた。
え……? なんで……?
視線が合った気がしただけ。
それだけなのに、鼓動が速くなる。
慌てて下を向いたけど、胸の奥は落ち着かないままだった。



