「今日も小テストだぞー」 先生の声に、教室中がざわついた。 「やばい!全然勉強してない!」 「ま、なんとかなるっしょ」 そんな声を横で聞きながら、私は鉛筆を握った。 昨日までの自分なら不安で震えていただろう。 でも、今は違う。 ――だって、あの人が見ていてくれるから。 『努力してるの、ちゃんと見てるよ』 『少しずつ、前に進んでるよ』 その文字を思い出すだけで、心臓が落ち着いていく。