朝の教室は、いつもと同じざわめきに包まれていた。 私はそっと自分の席に座り、カバンを下ろす。 笑い声、スマホの音、友達同士の小さな輪。 ――正直、教室に入るたびに、少しだけ居場所がないような気がする。 机に教科書を入れようとしたとき、一枚の紙がひらりと落ちた。 「……なにこれ」 落ちた紙を拾って確認した。 白いルーズリーフにたった1行書かれていた。 こんなの机の中に入れた記憶がない。