短髪の眠り姫は、体を起こし、ぴょこんとベッドから降りた。
その瞬間、天使に翼が生えたかのような。
そんな錯覚を覚えた。
「どうして、俺の名前を知ってる?
お前は……、確か、1年のーーー」
「愛だよ。
上の名前はまだ秘密」
「何じゃそりゃ……。
お前もともかく、周りの生徒も知ってるのか……」
「先生ってば知らないの?
自分がイケメンだってこと?」
「自分で自分のことを、イケメンだという馬鹿な男だと?
そんな奴と一緒にするな」
「残念だね。
女子高生達みーんなそう噂してるんだよ?」
「何でだよ……。
たく、暇人なだけだろ。
ここの連中は」
「そんなこと言って、実は襲うこと考えたり?」
「近寄るな。
そんなのは興味ない」
「へぇー。
なんだつまんないの」
「つまんないとは何だ。
つまんないとは」
「ちょっとはこの閉鎖された、空間で楽しい噂聞けたらなー。
無理か。
仕方ない」
またバタンキュー状態に戻った、愛。
まだ1年だからだろうか。
何処となく、世間知らず感が匂う。
案外噂されている人物というのは、大したことない?
そんなもんなのか?
面倒くさい奴だけど、今はどうでもいいや。
「あ、じゃあさライン交換してよ!!」
ーーー何でそうなる……。
やっぱり、噂される事だけはあるのかも。


