入学式。
ある異様な噂が耳に残り、離れない。
というか周りが絶え間なく、ささやき合うから仕方ない。
「保健室に眠り姫がいる」
との噂が。
その眠り姫は、天使のような愛くるしい顔。
翼も生えているとのこと。
眠たい目をこすりながら、入学式を迎えてた。
馬鹿馬鹿しい暇人が考えたポエムにしか、聞こえなかった。
間もなく、入学式は終了。
片付けをしていた矢先だった。
そんな噂を真に受けた先生も話題にして。
「司先生はどうゆう生徒だと思います?」と同僚に聞かれた。
掃除が進まなかったから、イラッときて「知りません」と。
午前十一時。
その後、なんだか呆れて帰りたい気持ちを抑えてたが気になる。
そんな日々が3か月ぐらい続いた。
その噂は、体育祭まで引き伸ばされて。
打ち消されることはなかったから今でも強く覚えてる。
そんな噂に、導かれるように。
「司先生は、授業態度をもう少し柔らかくしてくれたまえ」
と校長に怒られていた矢先。
俺は適当に返事をして、校長の話を終わらせーー。
保健室へ、逃げるように出向いたのだ。
心の休息を求めるために。
今思えば、あれは運命だったのかもしれない。
当時、相変わらず保健室の先生は忙しいのか、留守だった。
別に、それがいい。
俺だって、一人になりたい気分ではあった。
だからこそ、眠ってしまっても問題はないだろうと思い。
ベッドに横になりたいがために掛けられたカーテンを開く。
そこにいたのは、天使とも見間違えた生徒。
ーーー「眠り姫」ーーー。
「………変態さん?」
「なんでだ」
「なんで締めてるのに、開けるの?」
ご尤もだ。
「お前、もう授業始まるぞ?」
「いいの。
ここに住んでるし。」
「嘘をつけ。
そこは病人のために、譲れよ」
「嘘じゃないし!!
なんで切れるかなー?
流石はミステリアスな先生。
司先生だ」
何でも見透かしてるのよと言いたげな、顔をしてる彼女。


