「これは事実なんだな。御臨終様だと言いようがない」
「どうして………どうしてだ?」
「はぁ?」
「なんで父親なのに、そんな平坦そうな顔をすることができるだ?」
「娘の死を実の父親が人前で嘆き悲しんでいたとしてもいみないだろ」
飛びかかった俺を、全力で海さんが止めてくれて。
海さんが補足してくれた。
「あの人は医療界の中でも悪魔なんや。話は通用せんから相手せんほうがええ」
項垂れる俺を、そっと背中を擦ってくれた海さんには感謝しかなかった。
そして海さんの提案で。
「病院の庭でピクニックだなんて、もう飽きた………なんで遠出に出向いてくれないの?」
「心臓病悪化してもいいのか?」
「私はもうじき、死ぬんでしょ?いいじゃん!!」
「不吉なこというなよ………」
そんな言葉を繰り返して、海さんと俺、愛で手作りのサンドイッチを食べて。
海さんが早めに気を使って帰ってくれた夕暮れの時。
「ねぇ、司っち………」
「なんだ?」
「はい。これプレゼント」
鍵付きの小さなブレスレットをもらった。
「これ……鍵がかかってるぞ?」
「この鍵を見つけ出したら、私達が出会った意味わかるよ」
「………?おまえ、何言ってーーー」
ふと顔が数センチ近づいてきた。


