母さんの「あんな表情」を俺は、「忌まわしき誕生日」に知っている。
バサリと毛布を投げ捨てる。
あたりを見渡す。
真っ暗な病室。
ここは………病院の中か?
今さっきまで、夢を見てた………?
ゆっくり囲まれたカーテンを開ける。
まず目の前に飛び込んできたのはーーー。
「………愛?」
すやすやと寝息を立てる、愛の姿が。
目の上にあった時計は十二時。
くそ………どうなってるんだ。
ヒリヒリする頭痛が刺激して、こめかみを押さえる。
あたりは静まり返っていて、夜中だからなのか、冬のせいなのかとても肌寒い。
病室から起き上がるが、点滴が邪魔をした。
「………先生?」
振り向くと、愛が覗き込んでいた。
「体調、大丈夫なの?」
「………そんなことよりも、なんでお前がここに?」
「先生、運ばれたんだよ。居酒屋で倒れて」
「倒れた?俺が?」
「うん。だから、急いで林檎先生が救急車呼んでーーーこうなったみたい」


