ーー俺の初恋は母親だったーー
それ以降の恋はしたことがない。
確か英語で初恋は、「firstLove」。
純粋で可憐な甘酸っぱい意味を指す。
大体、叶わない恋の事柄。
だが、人によっては人生に大きく影響力を与える。
禁断は「Pandora」に相応しい。
こちらも禁忌を犯すなら弱き者を守る為にある力。
この言葉の威力は、逆境に立たされた時に発揮される。
足元が掬われる聞き陥るとき、戦うためにあるものだと。
だけども、これら全て人生を壊された「呪いの言葉」。
「ねえ、司」
顔を上げ、美しく彫られた母親の顔を覗く。
「貴方は、私の特別な王子様なのよ?」
「王子様………?
どうして?」
まだ心の中で童話のお姫様がいると信じていた頃。
記憶の破片でそのお姫様は、ゆっくりと蝕まれてゆく。
ガラスのように粉々になってしまった姫は、戻ることはなく。
蝕まれた姫は、「魔女」となって、目の前に現れる。
「こうして「毎晩」同じベッドに入って寝るの。
約束して?
他の家ではしないのよ?
貴方だけなの。
特別なのは」
母親の顔は美しい天使にも見間違えて。
大きくてつぶらな瞳が入っていた瞼。
キリリとした筆で描いたような美しい湾曲眉毛。
「ほら、もっと近寄って」
差し出されたてが、後ろの背骨をなぞっていく。


