ーーー
「狙われてる…?遥翔様が?」
「うん。ほぼ確定で狙われてると思う。」
誰に?どいうかなんでそんなこと知ってるの?怖いよ…?
もしかして私がここにいる間に教室でなにかおこってたりするかもしれない…?
唐突に怖いことを言われて、不安と焦りが一気に押し寄せてくる。
焦ったらだめだ、冷静にいないと。
「氷くん、なんでそんなこと知ってるの?」
「それは…、言えないんだけど、オレの家がそういう系なんだよね。」
「そうなんだ。」
はっきり答えてくれなかった…。
そういう系……って、どういう系? 察するのは本当に苦手…。
言えないってことは私みたいな職業か、スパイとかだよね。
正直、氷くんのことを信じていいのかもわからないし、一度遥翔様に報告したほうが良いかな?
「…狙われるって、攫われる可能性があるってことであってる?」
「うーん、そこまではわからないけど、多分、攫われるであってると思うよ。」
「なるほど…。ここの生徒の人で怪しい人とか、いる?」
「一応。」
……え、いるの?
それ、今私が離れてていいの!? 危ないと思うんだけど!?
「背の高い、朝遅れて入ってきた男子、あの人が怪しいって思ってる。」
「仲良さそうに話してた、氷くんの横の席の人だよね?」
「うん。」
仲良いのかなって思ってたけど、怪しいって考えてたんだ…、全然わからなかった。
遅れてきてたけど先生もこのくらいならって許してたし、悪い人には見えなかったけれど…。
「弥夏ちゃんが教室に入る前、その人と会わなかった?」
「その人には会わなかったと思う。生きてるのかわからない人には会ったけど…。」
「それ、同じ人。葛川晃(Kuzukawa Akira)。」
「あの人と朝遅れてきた人、同じ人なの!?」
「全然そう見えないよね。」
全然同じに見えないのは、感じるオーラが違いすぎるからかな?
教室に入る前にぶつかった葛川くんはすんごい思いオーラだったけど、朝教室に遅れて入ってきた葛川くんは明るい陽キャオーラがすごかった。
こんなにオーラからガラッと変わる人いるんだ…。
「なんで葛川くんが怪しいと思ったの?」
氷くんは理由を言うか迷ったらしく、顔を俯けた。けど、すぐに顔を上げた。
「このことは誰にも言わないでほしいんだけど、良い? 遥翔にも言わないでほしい。」
遥翔様にも?そんなに秘密なことなの…? それなら尚更、聞いておいたほうが良いよね。
「……わかった。遥翔様にも、誰にも言わない。」
「ありがとう。――オレの家、一族でスパイの家業をしてるんだ。」
そうして、氷くんが小声で話始めた。
話を聞いてわかったのは、氷くんの家は一族でスパイをしていること。
スパイと言っても暗殺とかそういうことをやるのではなく、雇われたことだけをするらしい。
嘘の可能性もあると考えたけど、そこの社名と氷くんのスパイとしての名前を聞いて、疑う心がなくなった。
氷くんの家は私も聞いたことがある有名なところで、氷くんのスパイとしての名前も、何度か聞いたことがある名前だった。
氷くん、結構すごい人だったんだ。疑ってごめん……。
そしてなぜ遥翔様が狙われていることを知っているか。
三年前、氷くんが小学校5年生のときに西郷家から「遥翔を狙っているやつがいたら教えてほしい。」と依頼が来た。
そこで、遥翔様と同い年であり、スパイとしての修行も受けていた氷くんが同じ学校に入って身近な人に怪しい人がいないかを確認する役に選ばれた。
そして現在もそれが続いていて、その一貫で遥翔様が狙われているという情報を知っていたらしい。
そういえば、今日の朝、氷くんと初めて会った時に、遥翔様が、小5でこいつが転校してきた――みたいなこと言ってた気がする。
氷くんが小5で転校してきたのは私と同じように任務があったからなんだ…。
少し、氷くんに親近感が湧いた気がする。
「氷くんは、いつ狙われてるって気がついたの?昨日とか?」
「いや、今日の朝。 葛川の電話を聞いてた限りだと、昼休みが危ない。」
「昼休みね。わかった。気をつける。他になにか私も知っておいたほうが良いことある?」
「うーん…、他の情報は今は入ってきてないんだよね。でも、弥夏ちゃんは今日初めてこの学校に来たわけだからこの学校の地図は頭に入れておいたほうが良いよね。案内するよ!」
そう言って氷くんは靴箱の方に歩いていく。
え、授業は良いのかな? 校内を案内してくれるのはありがたいけど、授業、大事だよ…?
それに、氷くんは成績良いから大丈夫かもしれないけど、私は良くない!!
授業でないとすでに置いていかれてるのにもっと置いていかれちゃうよぉ!
そしたら遥翔様に怒られちゃうし迷惑かけちゃうよ…。
でも、私が道に迷っている間に遥翔様が攫われたとかいうことがあったら、鷹正様、優理香様はもちろん、お父様やお母様にも顔向けできなくなるし、なにより仕事の以来が来なくなってしまう。 それだけは絶対にダメだ…っ!
遥翔様には後々お世話になること承知の上で、私は氷くんについて行った。
最初は教室棟とは別に中庭を挟んだところにある特別教室棟の図書館に行った。
2階にある図書館は非常階段とつながっていて、その非常階段は敷地の外の道路と面しているため、もし、車を使って逃げるならここが使われやすい。
特別教室棟にある他の教室は窓以外、外に出られる場所がないのでそこから逃げる可能性は低いと予想。
次に行った管理棟も、生徒や教職員がたくさん通っているので、よほど頭が悪くない限り逃げることには使われない。
授業終わりのチャイムが聞こえて、戻るついでに教室棟の危ない場所を見に行った。
生徒たちが頻繁に使うクラス教室は人目につきやすいから使われることはないとして、危ないのは人が少ない空き教室が集まっている箇所。近くには非常階段もあって、逃げるには最適な場所だ。
「ここは2階で、オレたちが使う教室もある。それに、運悪く、今日は空き教室を使うクラスが一つもないんだって。遥翔を攫って逃げるなら、今日が1番良い機会ってこと。」
「今日が一番良い機会…。運が良いのか悪いのかわからないね。」
「だねぇ。でも、弥夏ちゃんが今日、転校してきてくれて良かった。オレ達だけでどうにかできる問題じゃないからね。」
「たしかに、氷くんは情報集める専門だもんね。って、オレ達?氷くん以外にも誰かいるの?」
「階段で会った数学の先生いるでしょ? あの人だよ。」
氷くんは、にやっと笑いながら教えてくれた。
あ、数学の敦賀先生、やっぱりそうなんだ…!
同じ苗字だったから、最初は氷くんと悪い意味でグルなのかなって思ってたけど、良い意味でのグルでしたか!よかったぁ…っ!
「敦賀先生にはこのことを伝えてあるから、何かあれば先回りしてもらおう。」
「すでに伝えてるの?ありがとう!頼もしい!!」
「でしょっ!」とドヤ顔で言った氷くんの顔が私の後ろを見た瞬間に固まった。
固まった…?誰か後ろにいるのかな?そんな気配はないけど…。
不思議に思いながら後ろを見て、私もピシッと固まった。
私達の目の先には、すごい笑顔だけど目が笑っていない、どす黒いオーラを出している遥翔様がゆっくりと歩いてきていた。
「狙われてる…?遥翔様が?」
「うん。ほぼ確定で狙われてると思う。」
誰に?どいうかなんでそんなこと知ってるの?怖いよ…?
もしかして私がここにいる間に教室でなにかおこってたりするかもしれない…?
唐突に怖いことを言われて、不安と焦りが一気に押し寄せてくる。
焦ったらだめだ、冷静にいないと。
「氷くん、なんでそんなこと知ってるの?」
「それは…、言えないんだけど、オレの家がそういう系なんだよね。」
「そうなんだ。」
はっきり答えてくれなかった…。
そういう系……って、どういう系? 察するのは本当に苦手…。
言えないってことは私みたいな職業か、スパイとかだよね。
正直、氷くんのことを信じていいのかもわからないし、一度遥翔様に報告したほうが良いかな?
「…狙われるって、攫われる可能性があるってことであってる?」
「うーん、そこまではわからないけど、多分、攫われるであってると思うよ。」
「なるほど…。ここの生徒の人で怪しい人とか、いる?」
「一応。」
……え、いるの?
それ、今私が離れてていいの!? 危ないと思うんだけど!?
「背の高い、朝遅れて入ってきた男子、あの人が怪しいって思ってる。」
「仲良さそうに話してた、氷くんの横の席の人だよね?」
「うん。」
仲良いのかなって思ってたけど、怪しいって考えてたんだ…、全然わからなかった。
遅れてきてたけど先生もこのくらいならって許してたし、悪い人には見えなかったけれど…。
「弥夏ちゃんが教室に入る前、その人と会わなかった?」
「その人には会わなかったと思う。生きてるのかわからない人には会ったけど…。」
「それ、同じ人。葛川晃(Kuzukawa Akira)。」
「あの人と朝遅れてきた人、同じ人なの!?」
「全然そう見えないよね。」
全然同じに見えないのは、感じるオーラが違いすぎるからかな?
教室に入る前にぶつかった葛川くんはすんごい思いオーラだったけど、朝教室に遅れて入ってきた葛川くんは明るい陽キャオーラがすごかった。
こんなにオーラからガラッと変わる人いるんだ…。
「なんで葛川くんが怪しいと思ったの?」
氷くんは理由を言うか迷ったらしく、顔を俯けた。けど、すぐに顔を上げた。
「このことは誰にも言わないでほしいんだけど、良い? 遥翔にも言わないでほしい。」
遥翔様にも?そんなに秘密なことなの…? それなら尚更、聞いておいたほうが良いよね。
「……わかった。遥翔様にも、誰にも言わない。」
「ありがとう。――オレの家、一族でスパイの家業をしてるんだ。」
そうして、氷くんが小声で話始めた。
話を聞いてわかったのは、氷くんの家は一族でスパイをしていること。
スパイと言っても暗殺とかそういうことをやるのではなく、雇われたことだけをするらしい。
嘘の可能性もあると考えたけど、そこの社名と氷くんのスパイとしての名前を聞いて、疑う心がなくなった。
氷くんの家は私も聞いたことがある有名なところで、氷くんのスパイとしての名前も、何度か聞いたことがある名前だった。
氷くん、結構すごい人だったんだ。疑ってごめん……。
そしてなぜ遥翔様が狙われていることを知っているか。
三年前、氷くんが小学校5年生のときに西郷家から「遥翔を狙っているやつがいたら教えてほしい。」と依頼が来た。
そこで、遥翔様と同い年であり、スパイとしての修行も受けていた氷くんが同じ学校に入って身近な人に怪しい人がいないかを確認する役に選ばれた。
そして現在もそれが続いていて、その一貫で遥翔様が狙われているという情報を知っていたらしい。
そういえば、今日の朝、氷くんと初めて会った時に、遥翔様が、小5でこいつが転校してきた――みたいなこと言ってた気がする。
氷くんが小5で転校してきたのは私と同じように任務があったからなんだ…。
少し、氷くんに親近感が湧いた気がする。
「氷くんは、いつ狙われてるって気がついたの?昨日とか?」
「いや、今日の朝。 葛川の電話を聞いてた限りだと、昼休みが危ない。」
「昼休みね。わかった。気をつける。他になにか私も知っておいたほうが良いことある?」
「うーん…、他の情報は今は入ってきてないんだよね。でも、弥夏ちゃんは今日初めてこの学校に来たわけだからこの学校の地図は頭に入れておいたほうが良いよね。案内するよ!」
そう言って氷くんは靴箱の方に歩いていく。
え、授業は良いのかな? 校内を案内してくれるのはありがたいけど、授業、大事だよ…?
それに、氷くんは成績良いから大丈夫かもしれないけど、私は良くない!!
授業でないとすでに置いていかれてるのにもっと置いていかれちゃうよぉ!
そしたら遥翔様に怒られちゃうし迷惑かけちゃうよ…。
でも、私が道に迷っている間に遥翔様が攫われたとかいうことがあったら、鷹正様、優理香様はもちろん、お父様やお母様にも顔向けできなくなるし、なにより仕事の以来が来なくなってしまう。 それだけは絶対にダメだ…っ!
遥翔様には後々お世話になること承知の上で、私は氷くんについて行った。
最初は教室棟とは別に中庭を挟んだところにある特別教室棟の図書館に行った。
2階にある図書館は非常階段とつながっていて、その非常階段は敷地の外の道路と面しているため、もし、車を使って逃げるならここが使われやすい。
特別教室棟にある他の教室は窓以外、外に出られる場所がないのでそこから逃げる可能性は低いと予想。
次に行った管理棟も、生徒や教職員がたくさん通っているので、よほど頭が悪くない限り逃げることには使われない。
授業終わりのチャイムが聞こえて、戻るついでに教室棟の危ない場所を見に行った。
生徒たちが頻繁に使うクラス教室は人目につきやすいから使われることはないとして、危ないのは人が少ない空き教室が集まっている箇所。近くには非常階段もあって、逃げるには最適な場所だ。
「ここは2階で、オレたちが使う教室もある。それに、運悪く、今日は空き教室を使うクラスが一つもないんだって。遥翔を攫って逃げるなら、今日が1番良い機会ってこと。」
「今日が一番良い機会…。運が良いのか悪いのかわからないね。」
「だねぇ。でも、弥夏ちゃんが今日、転校してきてくれて良かった。オレ達だけでどうにかできる問題じゃないからね。」
「たしかに、氷くんは情報集める専門だもんね。って、オレ達?氷くん以外にも誰かいるの?」
「階段で会った数学の先生いるでしょ? あの人だよ。」
氷くんは、にやっと笑いながら教えてくれた。
あ、数学の敦賀先生、やっぱりそうなんだ…!
同じ苗字だったから、最初は氷くんと悪い意味でグルなのかなって思ってたけど、良い意味でのグルでしたか!よかったぁ…っ!
「敦賀先生にはこのことを伝えてあるから、何かあれば先回りしてもらおう。」
「すでに伝えてるの?ありがとう!頼もしい!!」
「でしょっ!」とドヤ顔で言った氷くんの顔が私の後ろを見た瞬間に固まった。
固まった…?誰か後ろにいるのかな?そんな気配はないけど…。
不思議に思いながら後ろを見て、私もピシッと固まった。
私達の目の先には、すごい笑顔だけど目が笑っていない、どす黒いオーラを出している遥翔様がゆっくりと歩いてきていた。

