やっぱり君が好きだ

 6月の終わり、梅雨が明け陽人君が部活に入って約2ヶ月がたった。
「今日も部活疲れたねー」
「ね、白石さんと尾木さんに教えてもらってるからだいぶ上達したよ。」
 つい口元が緩んでしまう。
「そんなことないよ、陽人君が運動神経良いだけだから。」
 そんなたわいもない会話をしていると菜々が来た。
「もーなにしてんのよ。早く帰ろ。ほら2人とも早く帰る用意して。」
 誰よりも帰るのが早い菜々は私たちを急かす。
「分かった分かった。」
 そういい私は陽人君と顔を見合わせ、クスッと笑い合った。こんな幸せ奈日々が永遠に続けば良いと思う。

 夏休み、相変わらず今年の夏も異常な暑さだ。
 蝉は朝から鳴き、外に出るだけで汗が噴き出る。私たち中3は受験のため部活を引退し、最後の部活に来ていた。
 練習後、扇風機が当たる場所で私たちは2人で少しだけ話をした。
「今まで教えてくれてありがとう。入ったのがだいぶ遅かったから試合には出れなかったけどさ。」
「いえいえ、その割にはすぐ私たちレベルまで追いついたけどね。」
 そういい私たちは少し笑い合った。
「そういえば、夏休みが明けたら、何があるっけ?」
「えっとね、体育祭と文化祭。陽人君はこの学校に来て初めてだもんね。一緒に楽しも。」
「うん!ちなみに体育祭ってどんなことするの?」
「うーん、リレーとか男子だったら騎馬隊とかさ。」
 なるほどー、そう言いながら陽人君は目を細くして頷いていた。
「急なんだけどさ、下の名前で呼んでもいい?結構仲良くなってから時間経ったしさ。」
 唐突すぎて驚いた。嬉しすぎる。顔がどんどん赤くなっていくのに自分でも気がついた。
「も、もちろん!!逆に私勝手に陽人君って呼んでたけど大丈夫?」
「うん、全然大丈夫。じゃあ花凛って呼ぶね。」
 下の名前で呼んでるなんて幸せすぎる。このタイミングで私はずっと誘いたかったことを言うことにした。
「ねえ、今度さ、河川敷の夏祭り一緒に行かない?」
 返事が返ってくる、この瞬間がドキドキして胸が飛び出そう。私なんかが誘って良かったのかな。
「うん、行こっ!僕も誰か一緒に行きたいなって思ってたとこ。」
 予想外の回答に思わず顔が笑顔になる。顔がすぐ赤くなってしまう。
「良かったー菜々と松本君も誘っていい?」
「うん、もちろん。」
 実は、松本翔太君は、菜々の好きな人なのだ。
「じゃあ、また来週の土曜日の5時に駅前集合ね。」
「わかった!」
 まだ一週間あると言うのに楽しみすぎる。
 いつもと違う特別な夏休み。この夏休み恋でいっぱいにしたい。陽人君ともっと仲良くなりたい。