制服世代

二学期になっても、残暑厳しいどころではない暑さ。

人間が環境破壊をしたことに対して、太陽は怒り狂ったかのように、私たちを焼きつける。

いつものように、私は教室の後ろに飾られてある花瓶の水を入れ替えに行った。

「うわ、花瓶の水がお湯になってるじゃん⋯⋯ごめんねぇ」

萎れそうな花に声をかける。

水を入れ替え、花瓶を抱えて教室に戻ろうとした時、扉の前で高峰とぶつかりそうになったが、互いに無視してすれ違う。

教室では友達が私を呼び、くだらない話でバカ笑い。

そんな代わり映えしない日々。

思えば、席替えもまだしていない。

ある日、クラスメイトの男子が私の席まで来ると、小声で、

「奥居。この前のこと、誰にも言うなよ?」

そう言われたが、何のことだかわからない。

「この前って?」

私が尋ねると、彼は少し周りを気にしながら、

「ほら⋯⋯週末、イオンで鉢合わせたじゃん」