制服世代

「それは⋯⋯俺だって、勉強を教えるという“てい”で、一緒に過ごせるのが嬉しかったから」

少し照れたように高峰は言う。

「でね⋯⋯もしよかったら、今度は私の家に遊びに来て?」

そう言うと、高峰は目を大きく開いた。

「その⋯⋯うちの親がね、彼氏ができたら、ちゃんと紹介しなさいってうるさいから」

あまり素直な言い方ではないが、ハッキリと言い切った。

高峰から恋心を打ち明けられてから、もう一年も経っている。

もしかして、その間に気持ちが変わってしまったのではないかという不安もあり、恐る恐る高峰の目を見た。

「彼氏って、俺でいいの?」

「そうじゃなきゃ、こんなこと言うわけないでしょ⋯⋯」

高峰は、すっと右手を差し出してきた。

「え、何⋯⋯?」

「これからよろしくって、握手しない?」

「ああ、そういうこと⋯⋯」

私がその手を掴むと、思い切り引き寄せられた。