制服世代

ええと、それはつまり⋯⋯。

さりげなく高峰を見遣ると、

「じゃ、早速、取りかかろうか」

「う、うん」

おばあさんに挨拶をすると、また高峰の部屋へ。

前に来た時とは違い、目に飛び込んできた映画のポスターは、ベティ・ブルーだ。

「高峰、ベティ・ブルー観たの?」

「ああ。奥居は?」

「うん、観たけど⋯⋯」

正直、あまりにも性描写が多すぎて、内容が全然頭に入ってこなかった作品だ。

なんだか、余計に気まずい⋯⋯。

「じゃあ、早速始めようか」

しれっと高峰は言う。

だが、私は色々と気になることだらけで、そんなすぐに勉強モードにはなれない。

「ねえ、気になったことを聞いてもいい?」

「ん?何かな?」

「イチローって⋯⋯学校には行ってないの?」

さっき、一日中、雪だるまを作っていたと言っていた。

学校に行っていたら、それはあり得ない。