制服世代

放課後には、以前と同じように、仲間には先に帰ってと伝え、そのあと、慌てて玄関へ向かう。

「ごめん⋯⋯!待たせちゃって」

「いいよ。ブラスが忙しいのはわかってるし」

高峰は囲碁部なので、同じ文化部でも、かなりゆるいという。

凍てつく雪道を二人で歩きながら、私は一生懸命話題を探していた。

「あっ⋯⋯!」

なんと、今度は溝に落ちるのではなく、凍結していた舗道の真ん中で滑って尻もちをついてしまった。

「大丈夫か?」

「痛い⋯⋯」

お尻がジンジンするし、それ以上に恥ずかしい。

「ホントにドジだよな⋯⋯ほら」

微笑んで手を差し伸べられ、戸惑いながらもその手を掴んだ。


高峰宅に着くと、

「おねーちゃん!」

イチローが駆けてきた。

「イチロー、元気だった?」

「うん!」

「今日はどうしてた?」

「庭で雪だるま作ってた!」

「え?一日中?」

「うん」