制服世代

最初こそ、突然のバカ呼ばわりにショックを受けた私だが、すぐ冷静になり、どうしてあんな奴のことが気になっていたのかさえ、もう思い出せない。

そして、自分でも驚くほどの勢いで気持ちが冷めるだけでなく、心の底からどうでもいいと思うようになってしまった。

「まぁまぁ、男子の言うことなんてどうでもいいじゃん!」

私は、気を取り直してそう言うと、麻美のヘアアレンジを続ける。

丁度それが終わったタイミングでチャイムが鳴り、みんな面倒くさそうに席に戻っていった。

ほんの数分前まで憧れていた高峰も、隣の席に戻ってきたが、私はもう彼を見る気もしない。

それにしても、恋ってこんな一瞬で冷めるものなのだろうか。

恋に恋するなんて言葉も聞くし、これは最初から恋ではなかったのかもしれない。