制服世代

「私は⋯⋯園芸高校に興味がある。あと、マグロ漁船に乗りたいから、水産高校もいいかなって」

高峰は、私のことをじっと見て、

「奥居は自然に優しいし、タフだから、いいかもしれないね」

「え?」

そう尋ねた瞬間、キンコンカンコンと鐘が鳴り、教師が入ってきた。

高峰が何のことを言っていたのかわからないまま、授業が始まってしまう。



相変わらずグダグダのまま、2月14日に。

学校内は、どこか浮ついている。

だが、私には関係なく、いつもと何も変わらない。

部活が終わり、仲間と玄関に向かうと、高峰が一人で立っていた。

目が合うと、

「あ、奥居。俺さ、知らない下級生から預かってるものがあるんだ」

「え?」

「中身はわからないし、誰なのかもわからないけど『奥居先輩に渡してください』って言われて。コレ⋯⋯」

小さな包みを渡された。

「じゃあな」

「えっ⋯⋯!?」